(和語を構成する五十音のひとつひとつについて、和人がそれに託した意味や情景を探ろうとするもの。今回は「こ」について関連する資料をまとめる。全五十回をもって完結する。これによって、最終的に、すべての一拍語、前接語、模写語のリスト作りを意図している。随時加筆修正の予定である。)
-----一拍語:
こ(小/子/こまし)、こ(かひこ蚕/なまこ海鼠)、こ(これ此、ここ此処)、こ(処)、こ(濃)、こ(籠)、こ(き/く/け/こ木)、こ(き/く/こ黄;きいろき色/くがね/こがね黄金)
-----コ接語:
こく、こしらふ、こする、こそぐ、こぞる、こぢる、こたふ/こらふ、こづく、こねる、このむ、こはし/こひし/こほし、こばむ、こぼす/こぼる、こゑ、
-----模写語
こせこせ、こそこそ/ごそごそ、こちこち、こつこつ/ごつごつ、こてこて/ごtごて、ことこと/ごとごと、こほこほ/ごほごほ、こりこり/ごりごり、ころころ/ごろごろ、こわ/こを/こをろ、こんこん/ごんごん
-----二拍名詞:
こけ苔 こし腰 こし輿 こぞ昨年 こち鯒 こち東風 こて鏝 こと言 こと事 こと異 こと琴 こな粉 こぶ瘤 こま駒 こま狛 こま独楽 こめ米 こも薦 こり香 ころ躯 こゑ声
-----一拍・二拍動詞
こ-こく(扱く)〔稲扱き〕
こ-こく(転く)-こかす(転かす)
-こける(転ける)〔ずっこける〕
こ-こく(耽く)-こくる(耽くる)〔叱りこくる、黙りこくる、塗りこくる、張りこくる〕
-こける(耽ける)〔眠りこける、笑いこける〕
こ-こく(痩く)-こける〔痩せこける、頬がこける;こけざる痩猿〕
こ-こく(放く)〔屁こき〕
こ-こぐ(焦ぐ)-こがす(焦がす)
-こげる(焦げる)
こ-こぐ(漕ぐ)-こがす(漕がす)
こ-こぐ(凍ぐ)-こぎゆ(凍ぎゆ)
こ-こす(越す)
こ-こす(漉す)
こ-こつ(言つ)-こたふ(答たふ)-こたへる
こ-こづ(抉づ)〔こづ、すづ、ねづ、もづ、よづ〕
こ-こぬ(捏ぬ)-こなす(熟なす)
-こねる(捏ねる)
こ-こふ(乞ふ)
-こぶ(媚ぶ)-こびる(媚びる)
こ-こむ(籠む)=こごむ〔てごめ手籠〕
-こまる(籠まる)〔困る〕
-こめる(籠める)
-こもる(籠もる)
こ-こゆ(凍ゆ)=こごゆ-こごyeる
こ-こゆ(越ゆ)-こyeる
こ-こゆ(臥ゆ)-こやす〔こyiふす臥伏〕
-こyeる
こ-こゆ(肥ゆ)-こやす(肥やす)
-こyeる(肥yeる)
こ-こる(伐る)
こ-こる(懲る)-こらす-こらしむ-こらしめる
-こりる
-ころふ
こ-こる(凝る)=ここる
こ-こwu(臥wu)〔こゐふす○臥〕
こ-こwu(蹴wu)
2018年7月15日日曜日
2018年7月12日木曜日
和語と五十音図
和語と五十音図の関係はと言えば、現在知られているすべての和語(語彙)は、すべて五十音図の中の文字で表記される。逆に言えば五十音図を越えて和語はない。このことは、何を意味するか。初めに五十音図があって、和人はその中にある音(拍)のみを使って和語を作っていったということは考えられない。反対に和語を整理した結果、五十音図という枠組みが得られたということであろう。
だが和語の長い歴史を通じて、最初からこのような五十音図という枠組みがあったとは考えにくい。事実、和語は、古代(上代)から時代の経過とともに多くの漢語をとり込み、それにつれて拗音拍、撥音、促音、長音拍が入り込み、それにつれて五十音図も膨れ上がっていった。ということは、五十音図の前段階として、おそらく縮小された形の図があったはずである。その時の和語は、その図に収まる範囲の数と語形のものであったはずである。その時代を経て、今見る五十音図に規定される和語の時代になったわけで、今われわれはそれを目の前に並べて見ていることになる。これはごく限られた一時代のことばであったであろう。このことを忘れないようにしたい。
五十音図の前段階としては、例えば「三十音図」のようなものが考えられる。これには思惑があって、例えば五十音図のすべてのエ段語をイ段に、オ段語をウ段に畳み込んで、当時の母音は「あ、い、う」の三つであったとすれば「三十音図」が得られるのである。これを実行に移すには一人ではやや難しいが、そうすることによって特に語釈の分野でさまざまな新しい見解が得られる見込みがある。また謎多き上代特殊仮名遣いに何らかの理解が得られるのではないかと考えられる。
だが和語の長い歴史を通じて、最初からこのような五十音図という枠組みがあったとは考えにくい。事実、和語は、古代(上代)から時代の経過とともに多くの漢語をとり込み、それにつれて拗音拍、撥音、促音、長音拍が入り込み、それにつれて五十音図も膨れ上がっていった。ということは、五十音図の前段階として、おそらく縮小された形の図があったはずである。その時の和語は、その図に収まる範囲の数と語形のものであったはずである。その時代を経て、今見る五十音図に規定される和語の時代になったわけで、今われわれはそれを目の前に並べて見ていることになる。これはごく限られた一時代のことばであったであろう。このことを忘れないようにしたい。
五十音図の前段階としては、例えば「三十音図」のようなものが考えられる。これには思惑があって、例えば五十音図のすべてのエ段語をイ段に、オ段語をウ段に畳み込んで、当時の母音は「あ、い、う」の三つであったとすれば「三十音図」が得られるのである。これを実行に移すには一人ではやや難しいが、そうすることによって特に語釈の分野でさまざまな新しい見解が得られる見込みがある。また謎多き上代特殊仮名遣いに何らかの理解が得られるのではないかと考えられる。
2018年7月11日水曜日
「(仮名・ローマ字)五十音図」
あ (&a) い (&i) う (&u) え (&e) お (&o)
か (ka) き (ki) く (ku) け (ke) こ (ko)
さ (sa) し (si) す (su) せ (se) そ (so)
た (ta) ち (ti) つ (tu) て (te) と (to)
な (na) に (ni) ぬ (nu) ね (ne) の (no)
は (ha) ひ (hi) ふ (hu) へ (he) ほ (ho)
ま (ma) み (mi) む (mu) め (me) も (mo)
や (ya) yi (yi) ゆ (yu) ye (ye) よ (yo)
ら (ra) り (ri) る (ru) れ (re) ろ (ro)
わ (wa) ゐ (wi) wu (wu) ゑ (we) を (wo)
が (ga) ぎ (gi) ぐ (gu) げ (ge) ご (go)
ざ (za) じ (zi) ず (zu) ぜ (ze) ぞ (zo)
だ (da) ぢ (di) づ (du) で (de) ど (do)
ば (ba) び (bi) ぶ (bu) べ (be) ぼ (bo)
ぱ (pa) ぴ (pi) ぷ (pu) ぺ (pe) ぽ (po)
-------------------------------------------
きゃ (Ka) きゅ (Ku) きぇ (Ke) きょ (Ko)
しゃ (Sa) しゅ (Su) しぇ (Se) しょ (So)
ちゃ (Ta) ちゅ (Tu) ちぇ (Te) ちょ (To)
にゃ (Na) にゅ (Nu) -- - にょ (No)
ひゃ (Ha) ひゅ (Hu) ひぇ (He) ひょ (Ho)
みゃ (Ma) みゅ (Mu) -- - みょ (Mo)
りゃ (Ra) りゅ (Ru) -- - りょ (Ro)
ぎゃ (Ga) ぎゅ (Gu) ぎぇ(Ge) ぎょ (Go)
じゃ (Za) じゅ (Zu) じぇ (Ze) じょ (Zo)
ぢゃ (Da) ぢゅ (Du) ぢぇ (Ze) ぢょ (Do)
びゃ (Ba) びゅ (Bu) びぇ(Be) びょ (Bo)
ぴゃ (Pa) ぴゅ (Pu) -- - ぴょ (Po)
撥音 (nn) 促音 (qq) 長音 (ll)
--------------------------------------------------
1)古代語、現代語を問わず、和語を構成する全ての拍を仮名とローマ字2個で表すことを目的としている。ローマ字は、基本的にいわゆる訓令式ローマ字化法によっている。訓令式は、日本語の特徴に即して合理的であるからである。この五十音図にもとづいた和語の正しい表記なくして和語の正しい理解はない。
2)全ての古代語は、上記中間の点線より上の清音拍50拍、濁音拍20拍の合計70拍で表記可能である。(パ行拍については別に論じる。)
3)時代が下がって多くの拗音拍が日本語に入り込んできた。これらの拗音は、上記のように仮名二文字による表記が歴史的に行われている。ローマ字では、小文字と大文字を使い分け、大文字をもって当該小文字が表わす子音の拗音を表記するものとする。
4)撥音、促音、長音も日本語には新しく、これらはそれぞれ (nn)、(qq)、(ll) で表記する。
5)ア行音の「あ、い、う、え、お」は、ローマ字ではこれを「&a、&i、&u、&e、&o」のように、母音文字の前に無音の音(子音)を表わす「&(アンド)」記号をつけて二文字で表記する。画面や印刷面の文字列をきれいに揃えるためである。
6)ヤ行の(yi)(ye)とワ行の(wu)の三拍は、古語では他の拍と区別して独立して普通に使われている。だが、これを表記するための現代人にすんなり受け入れられる平仮名、片仮名がないので「私家版 和語辞典」ではローマ字のまま表記した。ただしこれでは異様であるので、例えば(yi)には「射」、(ye)には「兄」、(wu)には「于」のような見かけの簡単な漢字を使用することが考えられる。
か (ka) き (ki) く (ku) け (ke) こ (ko)
さ (sa) し (si) す (su) せ (se) そ (so)
た (ta) ち (ti) つ (tu) て (te) と (to)
な (na) に (ni) ぬ (nu) ね (ne) の (no)
は (ha) ひ (hi) ふ (hu) へ (he) ほ (ho)
ま (ma) み (mi) む (mu) め (me) も (mo)
や (ya) yi (yi) ゆ (yu) ye (ye) よ (yo)
ら (ra) り (ri) る (ru) れ (re) ろ (ro)
わ (wa) ゐ (wi) wu (wu) ゑ (we) を (wo)
が (ga) ぎ (gi) ぐ (gu) げ (ge) ご (go)
ざ (za) じ (zi) ず (zu) ぜ (ze) ぞ (zo)
だ (da) ぢ (di) づ (du) で (de) ど (do)
ば (ba) び (bi) ぶ (bu) べ (be) ぼ (bo)
ぱ (pa) ぴ (pi) ぷ (pu) ぺ (pe) ぽ (po)
-------------------------------------------
きゃ (Ka) きゅ (Ku) きぇ (Ke) きょ (Ko)
しゃ (Sa) しゅ (Su) しぇ (Se) しょ (So)
ちゃ (Ta) ちゅ (Tu) ちぇ (Te) ちょ (To)
にゃ (Na) にゅ (Nu) -- - にょ (No)
ひゃ (Ha) ひゅ (Hu) ひぇ (He) ひょ (Ho)
みゃ (Ma) みゅ (Mu) -- - みょ (Mo)
りゃ (Ra) りゅ (Ru) -- - りょ (Ro)
ぎゃ (Ga) ぎゅ (Gu) ぎぇ(Ge) ぎょ (Go)
じゃ (Za) じゅ (Zu) じぇ (Ze) じょ (Zo)
ぢゃ (Da) ぢゅ (Du) ぢぇ (Ze) ぢょ (Do)
びゃ (Ba) びゅ (Bu) びぇ(Be) びょ (Bo)
ぴゃ (Pa) ぴゅ (Pu) -- - ぴょ (Po)
撥音 (nn) 促音 (qq) 長音 (ll)
--------------------------------------------------
1)古代語、現代語を問わず、和語を構成する全ての拍を仮名とローマ字2個で表すことを目的としている。ローマ字は、基本的にいわゆる訓令式ローマ字化法によっている。訓令式は、日本語の特徴に即して合理的であるからである。この五十音図にもとづいた和語の正しい表記なくして和語の正しい理解はない。
2)全ての古代語は、上記中間の点線より上の清音拍50拍、濁音拍20拍の合計70拍で表記可能である。(パ行拍については別に論じる。)
3)時代が下がって多くの拗音拍が日本語に入り込んできた。これらの拗音は、上記のように仮名二文字による表記が歴史的に行われている。ローマ字では、小文字と大文字を使い分け、大文字をもって当該小文字が表わす子音の拗音を表記するものとする。
4)撥音、促音、長音も日本語には新しく、これらはそれぞれ (nn)、(qq)、(ll) で表記する。
5)ア行音の「あ、い、う、え、お」は、ローマ字ではこれを「&a、&i、&u、&e、&o」のように、母音文字の前に無音の音(子音)を表わす「&(アンド)」記号をつけて二文字で表記する。画面や印刷面の文字列をきれいに揃えるためである。
6)ヤ行の(yi)(ye)とワ行の(wu)の三拍は、古語では他の拍と区別して独立して普通に使われている。だが、これを表記するための現代人にすんなり受け入れられる平仮名、片仮名がないので「私家版 和語辞典」ではローマ字のまま表記した。ただしこれでは異様であるので、例えば(yi)には「射」、(ye)には「兄」、(wu)には「于」のような見かけの簡単な漢字を使用することが考えられる。
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