--------------------<あああ>
あ(生)-あす(生す)
-ある(生る)-あらす(有らす)-あらせる-あらせらる-あらせられる
-あらふ(有らふ)-あらはす-あらはさす(現わす)「あらは露」
-あらはさる
-あらはせる
-あらはふ
-あらはる-あらはれる(現わる)
-ある(新る)-あらく(新らく)
-あらつ(新らつ)-あらたむ-あらたまる「あらたし新」
-あらためる-あらためらる-あらためられる
-あらふ(新らふ)-あらはす-あらはせる(洗ふ)
-あらはる-あらはれる
-ある(荒る)-あらく(荒らく)-あらかふ
-あらける
-あらぐ(荒らぐ)-あらがふ
-あらげる
-あらす(荒らす)-あらさる-あらされる
-あらそふ-あらそはす-あらそはせる(争ふ)
-あらぶ(荒らぶ)-あらびる
-あらぶる
-あれぶ(荒れぶ)
-あれる(荒れる)
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あ(明)-あく(明く)-あかす(明かす)-あかさる-あかされる〔あ(赤)-あく(赤く)〕
-あかぶ(赤かぶ)-あかばむ
-あかむ(赤かむ)-あかめる
-あかる(赤かる)-あからぶ
-あからむ-あからめる
-あかるむ
-あきる(明きる)-あきらむ-あきらめる(諦らむ)
-あける(明ける)
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あ( )-あく(飽く)-あかす(飽かす)-あかせる
-あきる(飽きる)-あきらむ-あきらめる(諦らむ)
-あきらる-あきられる
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あ(上)-あぐ(上ぐ)-あがる(上がる)
-あげる(挙げる)-あげらる-あげられる
-あふ(仰ふ)-あふぐ(仰ふぐ)-あふがす-あふがせる「あふのく仰伸、あふむく仰向」
-あふがる-あふがれる
-あふる(呷ふる)
う(上)-うく(浮く)-うかす(浮かす)-うかせる
-うかぶ(浮かぶ)-うかばす-うかばせる
-うかばる-うかばれる
-うかべる-うかべらる-うかべられる
-うかむ(浮かむ)
-うかる(浮かる)-うかれる「うかれひと浮人/浮浪、うかれめ遊行女婦」
-うくる(受くる)
-うけふ(受けふ)
-うける(受ける)
う(上)-うへ(上 )
渡り語「あ/う」で上空、上部、上辺を表わしていると見られる。
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あ( )-あぐ(倦ぐ)-あぐぬ(倦ぐぬ)-あぐねる
-あぐむ(倦ぐむ)
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あ( )-あす(浅す)-あさふ(浅さふ)「あさし(浅シ)」
-あさむ(浅さむ)「あさまし」
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あ( )-あず(交ず)-あざぬ(糾ざぬ)-あざなふ-あざなはる「あぜくら校倉」
-あざふ(糾ざふ)-あざはふ
-あざはる〔もつれあう/からみあう/交叉する〕
-あず(戯ず)-あざる(戯ざる)〔取り乱し騒ぐ〕
「まず(交ず)」の(m-&)相通形か。
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あた(敵た)-あたく(敵たく)-あたける「あたし敵シ」
-あたす(敵たす)
-あたぬ(敵たぬ)-あたなふ「あたなふ寇」〔害をなす〕
-あたふ(敵たふ)
-あたむ(敵たむ)-あたまる
あだ(仇だ)-あだく(仇だく)「あだし仇シ」
-あだす(仇だす)(「ふみあだす」-踏んでばらばらにする)
-あだふ(仇だふ)
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あつ(熱つ)-あたつ(熱たつ)-あたたむ-あたたまる「あたたか暖、あたみ熱海」
-あたためる
-あつく(熱つく)-あつかふ(悶熱)「あつし熱シ、あつし暑シ」
-あつゆ(篤つゆ)
-あつる(暑つる)
いた(痛た)-いたむ(痛たむ)-いためる「いたし(痛シ)、いたまし(痛まシ)」
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あは(淡 )-あはす(淡はす)「あはし(淡シ)」
-あはつ(淡はつ)-あはたす
-あはづ(淡はづ)〔淡くなる、浅薄になる、衰える〕
-あはむ(淡はむ)
さは(醂 )-さはす(醂はす)「さはし(淡シ)」(&-s相通形)
-さはむ(醂はむ)
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あ( )-あふ(合ふ)-あはす(合はす)-あはさす
-あはさる-あはされる
-あはせる
-あはふ(合はふ)「あはひ間」
-あへす(合へす)
-あへる(和へる)「和へ物/虀へ物」
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あ( )-あふ(饗ふ)「あへのこと」
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あ( )-あふ(敢ふ)「あへて(敢て)」
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あむ(編む)-あます(編ます)-あませる「あみ網」
-あまる(編まる)-あまれる
「み(箕)」の渡り語で動詞形「む」のア接語か。日国「み箕」の項の語源説欄には「モ(裳)の転〔日本古語大辞典=松岡静雄〕」との説が見える。いずれも竹ひごや糸を”編ん”で作る。
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あ( )-あゆ(零ゆ)-あyeす(零yeす)「あyeか」
-あyeる(零yeる)
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-あやす(零やす)-あやしむ「あやし(怪シ)」
-あやぶ(危やぶ)-あやぶむ「あやふし危ふシ」
-あやむ(誤やむ)-あやまつ〔過誤〕
-あやまる(誤まる・謝まる)〔過誤・謝罪〕
-あやめる(誤める、危める、殺める〔殺人〕)
「あゆ(零ゆ)」は木の実が熟して落ちたり、汗や血がしたたり落ちることを言うとされる。これと上記の不詳語の「怪しむ、過まつ、誤まる」などを結びつけることができないか。
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あ( )-あゆ(肖ゆ)-あやく(肖やく)-あやかる〔似る〕
-あyeる(肖yeる)
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あ( )-ある(離る)-あらく(離らく)(散る-散らく)
-あらつ(離らつ)
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あ( )-ある(足る)-ありく(歩りく)〔「足る」は残らなかった〕
-あるく(歩るく)-あるかす-あるかせる
-あるける
-さるく(歩るく)(&-s相通形)
時系列「し-あし-あ(足)」の最後の「あ」時代の語。
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あわ(泡 )-あわつ(慌わつ)-あわてる「あわたたし(慌シ)」
-いわく〔驚き慌てる〕
--------------------<いいい>
い( )-いく(熱く)-いかる(怒かる)-いからす-いからせる
-しかる(叱かる)-しからる-しかられる(&-s相通語)
-いきむ(熱きむ)-いきまふ-いきまはる
-いきる(熱きる)-いきれる
-いくぶ(憤くぶ)
-いくむ(憤くむ)「いくみうらむ」
-いこる(熾こる)
-いつ(酡つ)-いてる(酡てる)
-いる(沃る)
-いる(煎る)
-いる(鋳る)
お( )-おく(熱く)-おこす(熾こす)
-おこる(熾こる)
「加熱する」「発熱する」意か。「瞋、怒、恚、憤、慍、懥、熾・・」
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いす( )- -いすすく〔そわそわする、驚き騒ぐ〕
いそ( )-いそぐ(急そぐ)-いそがす-いそがせる「いそし、いそがし忙シ」《いそいそ》
-いそがる-いそがれる
-いそす(勤そす)-いそしむ
-いそふ(争そふ)
うす( ) -うすすく〔そわそわする、驚き騒ぐ〕
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いざ( )-いざす(誘ざす)
-いざぬ(誘ざぬ)-いざなふ
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いた:いたつく(労つく)「いたつき労」
いたはる(労はる)-いたはらる-いたはられる「いたはし労シ」「いたひけなし(幼気なし)」
いつ:いつく(傳助)~いつくしむ「いつきかしづく(斎傅/愛育)」
いつふ-いつはる(偽る)
いと: -いとしむ(愛しむ)「いとこ愛子」「いとし(愛シ)」
-いとなむ(営む)
いとふ(愛惜)~いとほしむ「いとほし(愛シ)」
うつ:うつく(傳助)~うつくしむ「うつくし(美シ)」
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いぢ(苛ぢ)-いぢく(苛ぢく)-いぢくる《いぢいぢ》
-いぢける
-いぢむ(苛ぢむ)-いぢめる-いぢめらる-いぢめられる
-いぢる(苛ぢる)-いぢらる-いぢられる「いぢらし」
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い( )-いつ(至つ)-いたす(至たす)「いただく頂~いただき、いなだく~いなだき」(t-n相通形)
-いたる(至たる)-いたらす至-いたらしむ
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い( )-いつ(凍つ)-いてる(凍てる)
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い( )-いゆ(癒ゆ)-いやす(癒やす)-いやさる-いやされる
-いyeる(癒yeる)
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いら(苛ら)-いらす(苛らす)《いらいら》
-いらつ(苛らつ)
-いらふ(苛らふ)
-いらる(苛らる)-いららぐ
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い( )-いる(要る)〔必要とする〕
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い( )-いる(入る)-いらす(入らす/貸らす)「いらしもの利息、いらしのいね貸稲、いらしのおほちから貸税」
-いらふ(入らふ/借らふ)
-いらる(入らる)「いりあひ入会」
-いれる(入れる)-いれらる-いれられる
母音語の常で不可解である。「い」が「入」の意味をもたなければならないが、イ段の一拍語のどれかの頭の子音が落ちたものと考えるほかない。「いる入」に限らないが、ほかの考え方を見つけたいものである。
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い( )-いる(沃る)〔水を注ぐ、浴びせる〕
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い( )-いる(鋳る)〔鋳造する〕
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い( )-いる(煎る)-いらる(煎らる)-いられる〔(豆を)あぶりこがす〕
--------------------<ううう>
う(埋)-うむ(埋む)-うまる(埋まる)
-うめる(埋める)-うめらる-うめられる
-うもる(埋もる)-うもれる「うもれき埋れ木」
-うづ(埋づ)-うづむ(埋づむ)-うづまる
-うづめる-うづめらる-うづめられる
-うづもる-うづもれる
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う(得)-うる(得る)
え(得)-える(得る)-えらる(得らる)-えられる
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う( )-うる(売る)-うらす(売らす)-うらせる-うらせらる-うらせられる
-うらる(売らる)-うられる
-うれる(売れる)
--------------------<えええ>
--------------------<おおお>
お( )-おく(置く)-おかす(置かす)-おかせる-おかせらる-おかせられる
-おかる(置かる)-おかれる
-おきつ(掟きつ)「おきて掟」
-おこつ(怠こつ)-おこたる
-おす(押す)-おさす(押さす)-おさせる
-おさふ(抑さふ)-おさへる-おさへらる-おさへられる
-おさる(押さる)-おされる
-おそふ(襲そふ)-おそはる-おそはれる
-おそぶ(押そぶ)-おそぶる-おそぶらふ
-おつ(落つ)-おちる(落ちる)「おとがひ頤/乙貝、おとひと弟人、おとひめ乙姫、おとむすめ妹娘」
-おつる(落つる)
-おとす(落とす)-おとさす-おとさせる
-おとさる-おとされる
-おとしむ-おとしめる-おとしめらる-おとしめられる「おとしむ貶」
-おとる(劣とる)-おとろふ-おとろへる「おとろふ衰」
-おふ(覆ふ)-おほふ(覆ほふ)-おほはす-おほはせる
-おほはる-おほはれる
-おる(降る)-おりる(降りる)
-おるる(降るる)
-おろす(降ろす)-おろさす-おろさせる
-おろさる-おろされる
オ接動詞群である。上から下へ力が及ぶ様をさまざまに言い分けている。「上から下へ」語群である。
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お(追)-おく(措く)-おくす(臆くす)
-おくる(遅くる)-おくらす-おくらせる(遅る/送る)
-おくらる-おくられる
-おくれる
-おこつ(怠こつ)-おこたる
-おこつく
-おこつる
-おこす(遣こす)「言い遣す、思ひ遣す、見遣す」
-おこる(遣こる)
-おふ(追ふ)-おはす(追はす)-おはせる
-おはふ(追はふ)
-おはる(追はる)-おはれる
「後ろから」語群である。
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お(怖)-おく(恐く)-おくす(臆くす)-おくする「おめずおくせず」
-おす(恐す)-おさふ(押さふ)-おさへる-おさへらる-おさへられる
-おさる(押さる)-おされる
-おそふ(襲そふ)-おそはす-おそはせる
-おそはる-おそはれる
-おそる(恐そる)-おそれる「おそろし恐ろシ」
-おず(悍ず)-おぞむ(悍ぞむ)「おずし/おぞし悍シ」「おぞまし悍まシ」
-おづ(怖づ)-おぢく(怖ぢく)-おぢける《おづおづ、おどおど》
-おぢむ(怖ぢむ)
-おぢる(怖ぢる)
-おづる(怖づる)
-おどく(脅どく)-おどかす-おどかさる-おどかされる
-おどす(脅どす)-おどさる-おどされる
-おぶ(怖ぶ)-おびゆ(怯びゆ)-おびやく-おびやかす-おびやかさる-おびやかされる
-おびやす
-おびyeる
-おびる(怯びる)
-おむ(怖む)-おむる(怯むる)「おめずおくせず」《おめおめ》
-おめる(怯める)
-おる(怖る)-おらぶ(哭らぶ)
『恐怖の「お」』語群である。
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お( )-おく(起く)-おきる(起きる)
-おこす(起こす)-おこさる-おこされる(熾す)
-おこる(起こる)-おこらす-おこらせる(熾る)
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お( )-おぐ(驕ぐ)-おごる(驕ごる)
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おそ(遅そ)-おそぬ(遅そぬ)-おそなふ-おそなはる「おそし(遅シ)」
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おだ(穏だ)-おだふ(穏だふ)「おだし(穏シ)、おだひ/おだひし(穏ひシ)、おだやか穏」
-おだむ(穏だむ)
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お( )-おふ(負ふ)-おはす(負はす)-おはせる-おはせらる-おはせられる「せおふ背負」
-おはる(負はる)-おはれる「おはれかかる負掛」
-おふす(負ふす)
-おほす(負ほす)(負す、課す)「ておほす手負、おほせこと仰言」
-おぶ(帯ぶ)-おばす(帯ばす)「おび帯」
-おびす(帯びす)-おびさす-おびさせる
-おびる(帯びる)
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お( )-おゆ(老ゆ)-おyiる(老yiる)
-およす(老よす)-およすぐ
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お( )-おる(愚る)-おろく(愚ろく)「おろか愚」
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