2018年8月27日月曜日

動詞図(2)か行動詞

--------------------<かかか>
か(気)-かぐ(嗅ぐ)-かがす(嗅がす)-かがせる-かがせらる-かがせられる
           -かがふ(香がふ)
           -かがる(香がる)-かがれる
    -かwu(香wu)-かをる(香をる)
き(気)-きる(霧る)-きらす(霧らす)「あまぎらす天霧、うちきらす打霧、かききらす掻霧」
           -きらふ(霧らふ)「あまぎらふ天霧、たなぎらふ棚霧、みなきらふ水霧」
く(気)
け(気)「けはひ気這*気生、ひとけ人気」
こ(気)「こり香」

イ接:いく(生く)-いかす(生かす)-いかせる-いかせらる-いかせられる「いき息、いけす生簀」
         -いきむ(息きむ)
         -いきる(生きる)〔息をする〕
         -いける(生ける)
         -いこぬ(憩こぬ)-いこのふ
         -いこふ(憩こふ)
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か( )-かく(駆く)-かけす(駆けす)-かけさす-かけさせる
           -かける(駆ける)-かけらふ「(空を)かける翔」
    -かつ(徒つ)「かちゆく/かしゆく、かちさむらひ、おかちまち御徒町」
    -かる(駆る)〔馬を走らせる〕
き( )-きす(来す)-きさす(来さす)「きさる来去、きしく来及*来頻、きふ来経」
く( )-くゆ(来ゆ)
    -くる(来る)
    -くwu(蹴wu)-くゑる(蹴ゑる)「くゑはららかす蹴散」
け( )-ける(蹴る)「けちらす蹴散」
こ( )-こす(来す)-こさす(来さす)-こさせる(来す)
    -こす(越す)-こさる(越さる)-こされる
    -こゆ(越ゆ)-こyeる(越yeる)「ふしこye伏越」(「くゆ」の形も、東国形?)
    -こる(来る)-こらる(来らる)-こられる
    -こwu(越wu)-こゑる(越ゑる)「あごゑ(踞/足蹴)」
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か(掛)-かく(掛く)=かかぐ(掲かぐ)-かかげる-かかげらる-かかげられる(舁く)
           -かかす(掛かす)
           -かかふ(抱かふ)-かかはる
                    -かかへる-かかへらる-かかへられる
           -かかる(掛かる)-かからふ(「罹患する」意も)「かからはし」
           -かける(掛ける)-かけらる-かけられる(「賭ける」意も)
    -かす(架す)
    -かつ(担つ)-かつぐ(担つぐ)-かつがす-かつがせる「かた肩」
                    -かつがる-かつがれる
    -かる(絡る)=かがる(縢がる)
           -からぐ(絡らぐ)-からがる「こんがらがる」
                    -からげる「(着物の裾を)からげる」
           -からぶ(絡らぶ)
           -からむ(絡らむ)-からます-からませる
                    -からまる-からまれる
                    -からめる-からめらる-からめられる

シ接:しがらむ「しがらみ柵」
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か( )-かく(掻く)-かかす(掻かす)-かかせる〔(背中を)掻く、ひっかく〕「かきとる掻取」
           -かかる(掻かる)-かかれる
か( )-かく(櫂く)「かき/かい櫂」
こ( )-こく(扱く)-こきる(扱きる)「yiねこき稲扱、こきばし扱箸」
こ( )-こぐ(漕ぐ)-こがす(漕がす)-こがせる

ア接:あがく(足掻く)
シ接:しごく(扱ごく)-しごかる-しごかれる
ミ接:みがく(磨がく)-みがかす-みがかせる
           -みがかる-みがかれる
モ接:もがく(踠がく)
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か(欠)-かく(欠く)-かかす(欠かす)
           -かくす(隠くす)-かくさす-かくさせる
                    -かくさふ
                    -かくさる-かくされる
           -かくふ(囲くふ)
           -かくむ(囲くむ)-かくまふ-かくまはる-かくまはれる
           -かくる(隠くる)-かくらふ「かくらひかぬ」
                    -かくれる
                    -かくろふ
           -かける(欠ける)
           -かこふ(囲こふ)-かこはす-かこはせる
                    -かこはる-かこはれる
           -かこむ(囲こむ)-かこます-かこませる
                    -かこまる-かこまれる
き(消)-きゆ(消ゆ)-きyeる(消yeる)「きyewuす/けwuす(消失)、きyeのこる(消残*削遺)」
    -きる(消る)
く(消)-くる(消る)「立山の雪しクらしも」(m4024)
け(消)-けす(消す)-けさす(消さす)-けさせる「けやすし消安、ゆきげ雪消」「けのこる消残、けwuす消失」
           -けさる(消さる)-けされる
    -けつ(消つ)
    -ける(消る)「たまげる魂消」
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か( )-かぐ(輝ぐ)-かがす(輝がす)「かげ輝*影」
           -かがゆ(輝がゆ)-かがやく-かがやかす-かがやかせる
                    -かがよふ
           -かがる(輝がる)「かがり火」
           -かぎる(輝ぎる)-かぎろふ「たまかぎる、かぎろひ」
           -かぐる(輝ぐる)
           -かげる(輝げる)-かげらす-かげらせる「ひかげるみや日輝宮」
                    -かげろふ
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か( )-かさ(かさ)「かさ瘡、かす滓/粕」
    -かた(穢陋)「かたなし(汚シ)」
き( )-きた(汚穢)「きたなし(汚シ)」
く( )-くす(腐す)-くさす(臭さす)-くささる-くさされる「くさ瘡、くさし臭、くそ屎*糞」
           -くさむ(臭さむ)
           -くさる(腐さる)-くさらす-くさらせる(t-s相通形)
    -くせ(癖 )-くせむ(臭せむ)「くせもの曲者」
    -くつ(朽つ)-くたす(朽たす)「しほくつ塩朽、言い朽す、くたかけ朽鶏、wuのはなくたし卯花腐」
           -くたつ(朽たつ)「あかときくたち暁降、ひくたち日降、もちくたち望降、よくたち夜降」
           -くたる(朽たる)-くたれる「ねくたる寝腐、みくたる身腐」
           -くちる(朽ちる)
           -くだす(下だす)-くださる-くだされる(下痢)
           -くだる(下だる)
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     かさ(嵩さ)-かさぬ(重さぬ)-かさなる
                    -かさねる-かさねらる-かさねられる
           -かさぶ(嵩さぶ)-かさばる-かさばらす-かさばらせる
           -かさむ(嵩さむ)
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     かざ(翳ざ)-かざす(翳ざす)-かざさる-かざされる「かざしあふぎ翳扇」
           -かざる(飾ざる)-かざらふ「かざりたち飾太刀」
                    -かざらる-かざられる
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     かし(呪詛)-かしふ(呪詛ふ)
           -かしる(呪詛る)
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     かし(傾し)-かしく(畏しく)-かしこむ(畏しこむ)-かしこまる「かしこし畏」
           -かしぐ(傾しぐ)-かしげる(傾しげる)
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か( )-かす(貸す)
    -かふ(交ふ)=かがふ「かがひ嬥歌」
           -かはす(交はす)-かはさす-かはさせる
                    -かはさる-かはされる
           -かはる(代はる)-かはらす-かはらせる
           -かへす(返へす)-かへさふ「たかへす/たがやす田返*耕」「くつがへす」
                    -かへさる-かへされる「ひるかへす翻」
           -かへる(返へる)-かへらす-かへらせる(帰る)「ひるかへる翻、くつがへる」
                    -かへらふ「かへりみる-かへらひみる」
    -かゆ(換ゆ)-かyeる(換yeる)
    -かる(借る)-かりる(借りる)
く( )-くふ(交ふ)-くはす(交はす)「でくはす(出交す)」
           -くはふ(交はふ)「まぐはふ(ま交ふ)」
           -くはる(交はる)「まぐはる」

ア接:あかふ/あがふ贖(異形:あがなふ)
タ接:たがふ違(た+かふ交)-たがへる「たがひ(互ひ)」
チ接:ちがふ違(ち+かふ交)-ちがへる「ちがひ(違ひ)」
チ接:ちかふ誓(ち+かふ交)-ちかはす-ちかはせる
マ接:まぐはふ「まぐはひ(交合)」
   まぐはる

ア接(交換・交替する意の渡り語「か/き/こ」のア接語):
あか-あかなふ/あがなふ(贖ふ)(物を買う、金品と罪を交換する)
あき-あきさす(贉す)(前金を払って買う)
  -あきなふ(商ふ)「あきひと商客/商人、あきじこり」
おき-おきなふ/おぎなふ(補ふ)
  -おきのる(賖る)(掛け、後払いで買う)
おこ-おこなふ(行ふ)
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か( )-かす(淅す)-かしく(炊しく)「かしみづ淅水、かしよね淅米」
           -かしぐ(炊しぐ)
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か( )-かす(和す)
    -かつ(合つ)〔合わせる〕「"かて"て加へて」
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か( )-かす(憔悴)-かしく(悴しく)-かしかむ「かしけゆく〔痩せこける〕」
                    -かしける
           -かせる(悴せる)「かせくび悴首、かせさむらひ悴侍、かせやまひ悴病」
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か( )-かす(幽す)-かすむ(霞すむ)-かすめる「かすか幽、かすむ霞~かすみ霞」《かすかす》
           -かする(掠する)
           -かすwu(掠すwu)-かすゐる(掠ゐる)
           -かそぶ(掠そぶ)「かそけし」
く( )-くす(掠す)-くすぬ(掠すぬ)-くすねる《くすくす》
           -くすむ(掠すむ)「くすみ」
こ( )-               《こそこそ》
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か(離)-かす(離す)
    -かゆ(離ゆ)
    -かる(離る)-からす(離らす)
           -かれる(離れる)

ア接:あかる
サ接:さかる「とほさかる(遠ざかる)」
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     かず(数 )-かずふ(数ずふ)
           -かずむ(数ずむ)-かずまふ
           -かぞふ(数ぞふ)-かぞへる
     きず(傷 )
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か( )-かた(堅た)-かたす(固たす)「かた型/形、かつを鰹〔かた堅+を魚〕、かたし(堅シ)」
           -かたぬ(固たぬ)
           -かたむ(固たむ)-かたまる-かたまらす-かたまらせる
                    -かたむる
                    -かためる-かためらる-かためられる
き( )-きた(鍛た)-きたす(鍛たす)
           -きたふ(鍛たふ)-きたへる-きたへらる-きたへられる
           -きたむ(鍛たむ)-きたます〔懲らしめる〕「うちきたむ打鍛」
    -きつ(緊つ)「きつし(緊シ)」
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か( )-かつ(搗つ)〔臼でつく〕
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か( )-かつ(勝つ)-かたす(勝たす)-かたせる「おもかつ面勝、まかつ目勝」
           -かてる(勝てる)
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か( )-かつ(語つ)-かたる(語たる)-かたらす-かたらせる「かむがたり神語、しひがたり強語」
                    -かたらふ
く( )-くつ(口つ)「くち口」
こ( )-こつ(託つ)=こごつ(小言つ)「こと言、こごと小言」
           -こたふ(答たふ)-こたへる
           -こたゆ(答たゆ)-こたyeる
           -こつる
    -ごつ(言つ)「のりごつ(令*宣)」

カ接:かこつ喞*詫
シ接:しこづ譖-しこづる〔讒言(ざんげん)する、そしる〕

 日国「かたる」の語源説欄に「カタはコト(言)の転。リは活用語尾〔日本古語大辞典=松岡静雄〕」が見え、これに従う。「かたる」と「こと言」を(kt)縁語と見る。
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か( )-かづ(  )-かづす(   )(m3432)
き( )-きづ(刻づ)-きだむ(段だむ)(「きざむ刻」は「きだむ」の(d-z)相通語か)「きだ段」
く( )-くつ(  )-くたつ(降たつ)
    -くづ(砕づ)-くだく(砕だく)-くだかす-くだかせる
                    -くだかる-くだかれる「くづ屑、おがくづ、のこくづ鋸屑」
                    -くだける
           -くだす(下だす)-くださる-くだされる
           -くだつ(降だつ)
           -くだる(下だる)
           -くづす(崩づす)-くづさる-くづされる
           -くづふ(崩づふ)-くづほる-くづほれる
           -くづる(崩づる)-くづれる
け(削)-けづ(削づ)-けづる(削づる)-けづらる-けづられる「ゆげ弓削、けづりかけ」
こ( )-こづ(傾頽)-こだる(傾頽る)「ゑみこだる笑興、をれこだる折傾」
           -こづむ(偏づむ)
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か( )-かづ(潜づ)-かづく(潜づく)(「(着物を)かぶる」か)
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     かど(誘 )-かだふ(奸だふ)-かだはむ
           -かだむ(奸だむ)(心がねぢけている、悪事をたくらむ)
           -かづす(誘づす)(未詳。誘う、かどわかすの意か)「かづさかづとも、かづさねも」
           -かどふ(誘どふ)-かどはく-かどはかす
                    -かどはす(拘引する)
           -かどむ(廉どむ)-かどめく(詮索する)
           -かどる(制どる)(統御する、管轄する)
          (-こだふ)    -こだはる(拘る-拘泥する)
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か(屈)-かぬ(屈ぬ)=かがぬ(屈がぬ)-かがなふ(屈なふ/僂なふ)
    -かふ(屈ふ)=かがふ(屈がふ)-かがふる
    -かむ(屈む)=かがむ(屈がむ)-かがまふ
                    -かがまる「ちぢかむ/しじかむ-ちぢかまる/しじかまる」
                    -かがむる(これが「かうむる(蒙る)」に転じたか)
                    -かがめる
           -かまる(屈まる)「わだかまる;かまりものみ斥候、すてかまり捨屈、ふせかまり臥屈」
           -かむる(冠むる)-かむらす-かむらせる
           -かぶる(冠ぶる)-かぶらす-かぶらせる
く(屈)-くく(潜く)-くくす(屈くす)
    -くす(屈す)=くぐす(屈ぐす)「うちくす打屈」「くぐせ屈背/傴僂」
    -くつ(屈つ)=くぐつ(屈ぐつ)「くぐつ傀儡」
    -くむ(屈む)=くぐむ(屈ぐむ)-くぐまる「くま隈、くみど、くむしら隩区、せくぐまる背屈」
                    -くぐめる
                    -くぐもる
           -くまる(屈まる)「wuずくまる/wuづくまる」
           -くもる(隠もる)-くもらふ
    -くる(屈る)=くぐる(潜ぐる)-くぐらす-くぐらせる
こ(屈)-こぐ(屈ぐ)-こがす(凍がす)-こがせる?
           -こぎゆ(凍ぎゆ)-こぎyeる?
    -こす(凝す)=こごす(凝ごす)(凍ごす)「こし濃シ、にこす煮凍/煮凝」「岩が根のこごしき山に」
    -こぬ(屈ぬ)=こごぬ(屈ごぬ)-こごなる(跼る)「こごなりかがむ跼屈」
    -こふ(氷ふ)=こごふ(凍ごふ)-こごへる
           -こほる(氷ほる)-こほらす-こほらせる「こほり氷」
    -こぶ(凝ぶ)「こぶ瘤」
    -こむ(籠む)=こごむ(籠ごむ)-こごまる「こも薦」
                    -こごめる
           -こまる(籠まる)-こまらす-こまらせる(困る-困らす-困らせる)
           -こめる(籠める)-こめらる-こめられる
           -こもる(籠もる)-こもらす-こもらせる「よごもり夜隠」
                    -こもらふ「こもりく隠国、こもりづ/こもりど隠処、こもりぬ隠沼」
    -こゆ(凍ゆ)=こごゆ(凍ごゆ)-こごyeる
           -こやす(凍やす)「にこやし煮凍」
           -こやる(凍やる)
           -こよす(凍よす)
    -こる(凝る)=こごる(凝ごる)-こごらす-こごらせる「こし濃シ、にこごり煮凝」
           -こらす(凝らす)-こらせる
           -こらふ(凝らふ)-こらへる
           -ころす(凝ろす)
           -ころふ(凝ろふ)「ひころふ孛/火凝」
           -ころる(凝ろる)
    -こwu(臥wu)

ア接:あがむ(崇む)-あがまる〔本来「わがむ」か。「をがむ」に同じ。〕
          -あがめる-あがめらる-あがめられる
サ接:さがむ(しゃがむ)
シ接:しかむ(顰む)-しかめる
   しこる(凝る)「しこり痼」
ス接:すくぶ(竦ぶ)-すくばる
   すくむ(竦む)-すくます-すくませる
          -すくまる
          -すくめる
ハ接:はくくむ(育む)
ヘ接:へこむ(凹む)-へこます-へこませる
ヲ接:をがむ(拝む)-をがまる-をがまれる、〔「をろ+かむ」(拝む)の形も〕
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か( )-かぬ(叶ぬ)-かなふ(叶なふ)-かなへる-かなへらる-かなへられる
           -かなる(叶なる)
           -かねる(兼ねる)
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       (かぬ)-かなづ(奏なづ)-かなでる
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か( )-かふ(支ふ)=かかふ(抱かふ)-かかはる(飼ふ)
                    -かかへる-かかへらる-かかへられる

シタ接:したかふ(下支ふ)-したかはす-したかはせる-したかはせらる-したかはせられる(従ふ)
             -したかへる-したかへらる-したかへられる
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か( )-かふ(躱ふ)-かはす「(身を)躱はす」「さしかふ」
           -かへす「(身を)ひる”かへす”翻」
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か( )-かふ(肯ふ)-かへす(肯へす)-かへずる(がえんずる)「うけがふ受肯」
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か( )-かぶ(構ぶ)-かばふ(庇ばふ)(「あばふ」「たばふ」の形もあるが不詳)
    -かむ(構む)-かまく(感まく)-かまける
           -かます(構ます)-かませる(突如異論を提示するといった「一発”かます”」)
           -かまふ(構まふ)-かまはる-かまはれる
                    -かまへる「みがまへる身構」(虺)
           -かむく(感むく)-かむかふ-かむかへる「かむく-かむかふ-かんがへる考」
く( )-くふ(組ふ)「すくふ巣構」
    -くぶ(組ぶ)-くばす(配ばす)-くばせる「めくばせ目配」
           -くばる(配ばる)-くばらす-くばらせる「みくばり/みくまり水配」
                    -くばらる-くばられる
    -くむ(組む)-くます(組ます)-くませる-くませらる-くませられる「めぐむ目組/恵」
           -くまふ(組まふ)
           -くまる(組まる)-くまれる「みくまり水配」
           -くみす(組みす)
    -くる(組る)-くらぶ(比らぶ)-くらべる-くらべらる-くらべられる
           -くらむ(比らむ)

ア接:あぐぬ倦-あぐねる
   あぐむ倦
タ接:たくらむ企
メ接:めぐむ恵(め+くむ配)-めぐまる-めぐまれる(「目を配る、目配りする」意)
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     かぶ(頭ぶ)-かぶく(傾ぶく)-かぶける
           -かぶす(傾ぶす)-かぶさす-かぶさせる「wuなかぶす頸傾」
                    -かぶさる-かぶされる
                    -かぶせる-かぶせらる-かぶせられる
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か( )-かぶ(黴ぶ)-かびる(黴びる)「かび黴」
           -かぶる(黴ぶる)-かぶれる「〔漆に〕気触れる」
           -かぼす(黴ぼす)
    -かむ(噛む)-かます(噛ます)-かませる
           -かまる(噛まる)-かまれる
           -かもす(醸もす)
           -かぶる(噛ぶる)「(劇場の)かぶりつき」
    -はむ(歯む)(「かむ」は「はむ」の (k-h)相通形か)

イ接:いがむ啀「いがみあふ啀合」
シ接:しがむ
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か( )-かむ(擤む)「(鼻/洟を)かむ」
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か(着)-かる(着る)
き(着)-きす(着す)-きさす(着さす)-きさせる「きほし着欲、きもの着物」
           -きせす(着せす)
           -きせる(着せる)-きせらる-きせられる
           -きそふ(着そふ)
    -きる(着る)-きらる(着らる)-きられる
           -きれる(着れる)
く(着)-
け(着)-けす(着す)「みけし御着」
    -ける(着る)
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か(刈)-かる(刈る)-からす-からせる(狩る)
           -からる-かられる
き(切)-きる(切る)-きらす(切らす)-きらせる
           -きらふ(切らふ)-きらはる(嫌らふ)
           -きらる(切らる)-きられる
           -きれる(切れる)
く(刳)-くる(刳る)-くらる(刳らる)-くられる「くりぬく刳抜」
こ(樵)-こる(樵る)「きこり木樵」

カ接:かぎる(カ切)-かぎらる-かぎられる(限る)
ク接:くぎる(区切)-くぎらる-くぎられる
シ接:しきる(仕切)
チ接:ちぎる(千切)-ちぎれる-ちぎられる
ト接:とぎる(ト切)-とぎれる
ニ接:にぎる(ニ切)(「に切りとる」意があったか)
ミ接:みきる(見切)
ヨ接:よぎる(横切)
サ接:さくる(サ刳)
ヱ接:ゑぐる(ヱ刳)-ゑぐらる-ゑぐられる〔ゑ彫+くる刳〕
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か( )-かる(枯る)-からす(枯らす)-からせる「かるし/かろし軽シ」《からから》
           -からぶ(枯らぶ)-からびる「ひからびる干乾*干涸」
           -かるぶ(軽るぶ)
           -かれる(枯れる)(涸れる)
           -かろぶ(軽ろぶ)
           -かろむ(軽ろむ)
    -かる(涸る)-かれる(涸れる)
    -かる(嗄る)-かれる(嗄れる)「しはがる-しはがれる/しゃがれる」

ス接:すがる末枯
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か( )-かわ(渇 )-かわく(渇わく)-かわかす〔喉が渇く、「かわ」の声を絞り出す〕
--------------------<ききき>
き( )-きく(聞く)-きかす(聞かす)-きかせる-きかせらる-きかせられる
           -きかゆ(聞かゆ)
           -きかる(聞かる)-きかれる
           -きこす(聞こす)「きこしめす、きこしをす」
           -きこゆ(聞こゆ)-きこyeる
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き( )-きく(利く)-きかす(利かす)-きかせる(効く)
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     きし(軋し)-きしむ(軋しむ)-きします-きしませる《きしきし/ぎしぎし》
                    -きしめく
           -きしる(軋しる)-きしろふ「歯ぎしり」
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き( )-きす(  )-きそふ(競そふ)-きそはす-きそはせる(新撰字鏡、11世紀仏典、太平記)
    -きふ(  )-きほふ(競ほふ)-きほはす-きほはせる(万葉集、9世紀仏典、源氏物語)
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            きたむ(罰たむ)-きたます
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き(極)-きふ(極ふ)-きはむ(極はむ)-きはまる「きは際、きはみ極、きへ寸戸」
                    -きはめる
           -きはる(極はる)「たまきはる玉、としきはる年」
    -きむ(決む)-きまる(決まる)「きめつく」
           -きめる(決める)-きめらる-きめられる
    -きる(極る)「きり限」
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     きよ(清よ)-きよむ(清よむ)-きよまふ-きよまはる「きよし清シ」
                    -きよまる
                    -きよめる
     けや(尤や)「けやけし」
     こよ(清よ)「こよなし」
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き( )-きる(鑚る)「(火)きり、ひきりうす火鑚臼、ひきりきね火鑚杵」《きりきり》
    -きる(錐る)「きり鑚*錐」
--------------------くくく
く( )-くく(括く)-くくす(括くす)
           -くくむ(包くむ)-くくまる
                    -くくもる「羽ぐくむ-羽ぐくもる」
           -くくる(括くる)-くくらる-くくられる
           -くける(絎ける)
ふ( )-ふく(括く)-ふくむ(含くむ)-ふくまる-ふくまれる(一度目の(h-k相通形))
                    -ふくめる
    -ふふ(括く)-ふふむ(含ふむ)(二度目の(h-k相通形))
           -ほほむ(   )-ほほまる〔蕾がふくらむ〕
--------------------
く( )-くく(潜く)-くくる(潜くる)-くくらす-くくらせる「(百舌鳥の)くさくき草潜、とびくく飛漏」
                    -くくらる-くくられる

コ接:こく(漏く)
モ接:もく(漏く)-もぐる(潜ぐる)-もぐる-もぐらす-もぐらせる
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く(黒)-くす(黒す)-くすむ(黒すむ)-くすます-くすませる
    -くむ(黒む)-くもる(曇もる)-くもらす-くもらせる「くも雲」
    -くる(暗る)-くらす(暮らす)-くらさす-くらさせる「くら暗/くり涅/くれ暮/くろ黒」
           -くらむ(暗らむ)-くらます
           -くれる(暮れる)
           -くろむ(黒ろむ)(黒くなる)
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く(奇)-くす(奇す)-くすす(奇すす)「くすし薬師」「くし/くすし(奇シ)」
           -くする(奇する)「くすり薬」
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く( )-くず(挫ず)-くじく(挫じく)-くじかす
                    -くじける
こ( )-こず(拗ず)-こじる(拗じる)-こじらす-こじらせる
                    -こじれる(拗れる)

シ接:しくじる
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く( )-くず(抉ず)-くじる(抉じる)「くじりゑる抉彫」
こ( )-こず(抉ず)-こじる(抉じる)
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                  くた-くたばる《くたくた》
                    -くたびる-くたびれる「草臥れる」
                    -くたぶる
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く(口)-くつ(口つ)「く/くち口」
    -くふ(食ふ)-くはす(食はす)-くはせる-くはせらる-くはせられる
           -くはふ(咥はふ)-くははる-くははらす-くははらせる(加はる)
                    -くはへる-くはへらる-くはへられる(咥へる・加へる)
           -くはる(食はる)-くはれる
    -くる(食る)-くらふ(喰らふ)-くらはす-くらはせる「くらひもの食物、よきくらひもの」

タ接:たくはふ(蓄ふ)-たくはへる
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     くび(首 )-くびる(縊びる)-くびらる
                    -くびれる
     くぼ(窪 )-くぼむ(窪ぼむ)-くぼます-くぼませる
                    -くぼまる
                    -くぼめる
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く( )-くむ(汲む)-くます(汲ます)-くませる
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く( )-くむ(銜む)-くくむ(銜くむ)-くくもる〔口に含む〕
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く( )-くゆ(崩ゆ)-くやす(崩やす)
           -くyeる(崩yeる)「くye崩、いはくye岩崩」
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く( )-くゆ(悔ゆ)-くやす(悔やす)-くやしぶ「くyi悔、くやし(悔シ)」《くよくよ》
           -くやむ(悔やむ)-くやまる-くやまれる
           -くyiる(悔yiる)
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く( )-くる(繰る)「くりあぐ繰上、くりさぐ繰下;つまぐる爪繰」

タ接:たぐる手繰
マ接:まくる捲
メ接:めくる捲
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く(転)-くる(転る)-くらむ(眩らむ)-くらます-くらませる(目が回る)
           -くるふ(狂るふ)-くるはす-くるはせる-くるはせらる-くるはせられる《くるくる》
                    -くるほす
           -くるぶ(転るぶ)-くるべく-くるべかす
           -くるむ(包るむ)-くるまる
                    -くるめく-くるめかす
                    -くるめる
           -くるる(転るる)「くるる枢」
           -くろむ(転ろむ)
こ(転)-こく(転く)-こかす(転かす)-こかさる-こかされる
           -こける(転ける)「ずっこける」
    -ころ(転ろ)-ころぐ(転ろぐ)-ころがす-ころがさる-ころがされる《ころころ》
                    -ころがる
                    -ころげる
           -ころぶ(転ろぶ)-ころばす-ころばせる
           -ころる(転ろる)
--------------------
く( )-くる(呉る)-くれる(呉れる)「くれてやる」
--------------------<けけけ>
     けが(穢 )-けがす(穢がす)-けがさる-けがされる「にごす、よごす」
           -けがる(穢がる)-けがれる
     こが(焦 )-こがす(焦がす)-こがさる-こがされる
           -こがる(焦がる)-こがれる
           -こげる(焦げる)
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け( )-けす(化す)-けさふ(化さふ)「けしょう化粧」
           -けする(化する)-けすらふ(つくろう/装う、めかす)
--------------------
     けし(  )-けしかく-けしかける「けし、けしけし」
--------------------<こここ>
こ( )-こく(扱く)「稲扱き」
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こ( )-こく(放く)「へこき屁放」
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こ( )-こく(痩く)-こける(痩ける)「やせこける痩、頬がこける」
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こ( )-こく(耽く)-こくる(耽くる)「だまりこくる、ぬりこくる、はりこくる」
           -こける(耽ける)「ねむりこける、わらひこける」
--------------------
こ( )-こぬ(  )-こなす(熟なす)-こなさる
           -こなる(熟なる)-こなれる
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    -こは(壊は)-こはす(壊はす)-こはさる -こはされる(中世末以降の語)
           -こはる(壊はる)-こはれる
    -こほ(壊ほ)-こほす(壊ほす)
           -こほつ(壊ほつ)(万1556、名義抄他)
           -こほる(壊ほる)(万2644、仁徳紀4年、名義抄他)
    -こば
    -こぼ(毀ぼ)-こぼす(毀ぼす)(竹取物語他)
           -こぼつ(毀ぼつ)-こぼたる(舒明紀10年、枕草子他)
           -こぼる(毀ぼる)-こぼれる(毀る)
 (コ接語)
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こ(乞)-こふ(乞ふ)-こはす(乞はす)「こじき乞食」
           -こはる(乞はる)-こはれる
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こ( )-こむ(浸む)(田が水浸しになる)
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こ( )-こゆ(肥ゆ)-こやす(肥やす)「こやし/こye肥」
           -こyeる(肥やす)
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こ( )-こゆ(臥ゆ)-こやす(臥やす)「こyiふす臥伏、こyiまろぶ臥転」
           -こやる(臥やる)
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こ( )-こる(懲る)-こらす(懲らす)-こらさる-こらされる
                    -こらしむ-こらしめる
           -こらる(嘖らる)
           -こりる(懲りる)
           -ころす(殺ろす)-ころさる-ころされる
           -ころふ(嘖ろふ)-ころほふ〔叱嘖する〕
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こ( )-こる(梱る)「こり梱」
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