以下の9回は、多くの和語動詞の中から基本と思われる一拍動詞、二拍動詞約600語をとり上げ、それらの長語化の過程をたどり、その意味するところをもとに整理分類したものである。
和語の理解にはその根幹をなす一拍語及び二拍語の意味の解明が鍵となる。二拍語・二拍動詞の構成はたいへん複雑である。そこにはまた和語に特有の多様にして数多い模写語が深く絡んでいる。ここでは動詞の側からその解明に挑戦しようとしている。
動詞は、目で見たり手でさわれるようなものとは違って、動作や運動といった目にも見えない手にもさわれないことに割り当てられた音であり、理屈としてその接点の解明はきわめて難しい。解があるかどうかも分からないが、とにかく整理し分類するところから始めるほかない。
和語動詞のいわゆる活用は、ここではとり上げていないが、動詞の活用と長語化の間には密接な関係の存在がうかがわれる。長語化図の中に動詞活用の実態をとり込むことが当面の課題である。
このような一覧表は、日本語を話したり書いたりし、また和語、引いては日本語を考える上で不可欠のものであるであろう。日本語を過去から現在にわたってひとつ(一体)として見る見方が大切である。国語はひとつだからである。新しい国語辞典の原型となるものと思われる。
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